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昨晩喫茶店で絵を描いていたら珍妙な会話が聞こえてきて、耳を傾けると、それは宗教への、或いは何かのサークルへの勧誘のようだった。中年男性が中年女性を説き伏せている。女性は近所の人たちとの柵や、家庭内の悩みを切実に訴えている。男性は「あなたは悪くない、あなたは悪くない」を繰り返す。女性は更に身を乗り出して、男性を強く見詰めながらしゃべり続ける。

私は悩みを人に相談する、ということをしないタイプだ。
手相や、様々な占いも全く関心がない。
では、辛いことも悲しいことも一人で乗り越えているか、というと違うと思う。
自分が気付かない内に、悩みは「愚痴」などに姿を変えて、周りの人達に吐き出しているようだ。人から「悩みとかなさそうだね」と言われ続けてきたが、実際反論できない。何か自分の中に暗雲が垂れ込めてきたら、すぐ放出してしまうから、いつも心はクリアである。
現代人が一番頭を悩ませているという人間関係も、組織を崩壊しないレベルで、自分が不快な思いをしないように、都合よく片付けている。
こんなだから、嫌われることもたまにあるが。

話がそれたが、既婚の中年女性というのは、その捌け口が少なくて辛いんだろうなぁ、と思ったのだ。特に専業主婦の人。旦那は話を聞いてくれないし(というかストレスのそもそもの原因だったり?)、子供は家にいないし、一応は家庭があるから、友人と頻繁に会うことも気が引けるし…といように。
眉間にしわを寄せて、泣きそうな顔で訴えている女性を見て、そんなことを考えたのでした。



私が好きな「文士の舌」という嵐山光三郎の連載があって(小説新潮)、今月は高村光太郎の特集だった。
父は彫刻家の高村光雲だそうだが、はっきり言って、名前しか知らなかった。
その中に、牛鍋を食べる様子を詠った「晩餐」という詩が載っていて、それがとても良かった。
今まで高村光太郎は読んだことがなかったので、早速「智恵子抄」を引っ張り出し、読んでみた。
よかった。
安吾の「白痴」といい、精神を病んでしまった女性は、どこか美しい感じがする。
白痴美という言葉もあるしね。
まあ、美しく伝えることができるのが、文士の力量なのだろうけど。
芸術家同士の「互にその仕事に熱中すれば……一切の生活が停頓してしまう」同棲生活とは、どの様なものだったのだろう。
寂しく一人、湯たんぽに湯を入れながら、考えた。
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